首の痛みでお悩みの方が来られました
首の痛みにお悩みのお客さんが来られました。70代の男性の方。初めての方です。
まず、どんな原因で痛んだのか問診票に記入していただくところからお願いしました。話を聞いてみると、もともと気になっていた首筋の違和感を日帰り温泉で頼んだマッサージで揉んでもらったことが、痛みのきっかけだったようです。
問診票記入から聞き取りにかかる時間は15分程度です。
早速、療術着に着替えてもらい療術を始めます。療術はいつも私と妻の2人で行います。
(画像はイメージです)
最初はうつ伏せになっていただきます。器具を持って、私は頭から下へ、妻は背中から下へと移動しながら器具を当てて擦るように動かしていきます。
頭を器具で探りながら下へ擦っていくと、とても熱く感じる場所がありました。器具を通して熱感が伝わってきます。
痛みがあったり調子のよくない場所は、たいてい独特の熱感があります。
目次
首筋を擦っていると、どんどん熱感が出て来ました
熱感を確認しながら、次に後頭部を擦り、さらに首筋を擦ると、熱燗のとっくりを持った時のようにホッカリとした温かさを感じました。
その後、首の右側と左側を交互に擦っていくと、だんだん焼けた金火箸のような熱い感覚に変化してきました。
この熱感は、お客さんの体から器具を通して私の腕から体の中を伝わって足の裏から出て行きます。表現しづらいですが、電気器具のノイズをアース線を取って逃がすような感じでしょうか。
これを3回ほど繰り返していくと、だんだんと左右の温度差が無くなってきます。しかし、まだ熱感は残っているので、掌(てのひら)で払ってから、今度は肩から背中へと器具を下の方に移動していきます。
腰に滞りがあったようです
背中から始めた妻は、お客さんの腰のあたりで熱感を感じたようです。私と同じように熱感を抜いてから払っていました。
いわゆる「氣」の流れは、水の流れと同じようなものだと考えています。水が上から下へ流れるように、氣の流れも上から下に流れると考えて療術をします。
頭から足へと流していきます。その流れに逆らってはいけないのです。
頭から足へ向かって流します
この流れと逆向きになる動きをすると、お客さんはあまり気持ちがよくありません。全員がそうなるということではありませんが、具合が悪くなったり、頭痛、吐き気、のぼせなどが出てくる時があります。
器具は先端、太い方の底、横の腹部分の3ヶ所を基本的に使います。流れの滞りが強い方の場合は、必要に応じて掌を使い、熱く湧き出てくるものを軽く開いた掌で払います。
すると、滞っていた熱感が一度に出てきます。その出てくる量にもよりますが、何度か払って穏やかに静まるまで続けます。
ふくらはぎの滞りもよく擦って流します
今日は、ふくらはぎにも気の滞りがありました。このような時は、擦る器具を通してざらついた感触があり手が止まります。4、5回擦って行くとすべりがよくなりふくらはぎが柔らかくなってきます。
次に、足裏を擦ったり押したりして氣の滞りを整えました。流れを整えていくと感覚的に器具の滑りがよくなります。ただ、この時も、足底部から大量の熱感が流れ出てきました。それを抜くと、通常の温度に戻りました。
その次には、気になる左側、左側面を向いてもらいました。
最初と同じように器具を使って頭部から擦り始めて顔に移り、次に首筋に移りましたが、やはり左首には若干の違和感があり、滑りが悪くなりました。
それで、軽く何度か擦り、器具の滑りがよくなったところで、ひざ、ふくらはぎ、足底部へと移動しましたが、この時には手に伝わって来る温感が静まりよい調子でした。
その後、右側面に姿勢を変えてもらいましたが、右側には強い熱感を感じることなく流しました。
改めて仰向けになっていただいて、頭部から首筋、胸、お腹へと器具で擦りながら移動して、足底部まで特に違和感を感じることがなく終わりました。
最後にベッドに片すわりしてもらって頭部、首筋と仕上げのため擦り、整えて終わりました。
体調が悪い方への療術は、特に注意しながら行っています。特に初めての方には、好転反応が出ないように、私たちの療術に慣れている方に比べると相当加減して行っています。
この方の経過は、首筋が痛くて来られた方の経過をお読み下さい。