手指の痛みと膝の痛み
以前通われていた50代後半の女性が、右膝の痛みで来店されました。この方は、4年前の10月に手指の痛みのため来店された方です。右膝まで擦るまでに、頭の左側、右肩、腰に滞りがあり、右膝は熱く重い感じがしました。
(画像はイメージです)
目次
もともとはばね指がきっかけでした
コンビニへ納めるパン工場で働いていて、毎日、サンドイッチをたくさん作っていたそうです。指先をかなり使うので指に負担がかかり、痛みを我慢しているうちに腱鞘炎からばね指と診断されるまでひどくなっていました。
手術をするか仕事をやめればなおりますといわれたそうです。
そこでご主人に相談したところ、たまたま、通勤途中で毎日見ていたうちの看板を思い出していただいたようです。手術をする前にためしに行ってみたらと、車で連れて来てくれたのでした。
それから週1回程度通われていましたが、平成28年11月22日以来休んでいました。その後、先週の6月6日に予約の電話が入り、今日来られたのです。
運動不足と体重が増えて膝が痛くなる
指の痛みはおさまったのですが、今度は膝の痛みがひどいということなのです。
痛み止めのロキソニンを飲んでも効かなくて痛くて眠れない。病院に行って検査してもらったら、幸いなことにリウマチの反応と炎症反応はなかったのですが、運動不足による体重増加と血行不良と診断されたそうです。
両膝が腫れてしまい、階段も上れない。
しかし、うちで8回ほど療術を受けたあたりから歩くのに自信がついて、帰りに自宅に戻らず、そのまま都内まで買い物や食事に出かけられるようになったそうです。
改めてばね指の調子を聞いてみると、違和感がなくなって調子が良くなったそうで、普通にお箸を使って食事ができるようになっているそうです。
「今思うと、手術しなくて本当によかったよかった」としきりに言っていただいてます。箸が持てなくなってしまった時は、世間体が悪いので、外食は控えてどこにも出かけられなかったといっていました。
首筋から熱感を感じます
いつものように、療術用ベッドにうつ伏せに寝てもらい療術を始めます。
器具を持ってベッドの脇に立つと、患者さんからチリチリとした熱い感じが伝わって来ます。調子が特によくない患者さんの場合は、そのチリチリした感覚が、指先手先から私の身体に入ってきて体がかゆくなったりします。
そのような場合は、チリチリした感覚を感じていない方の掌でゆっくりかゆい所を払って、その感覚を体から離します。
頭の左側、首の上の方が熱い
後頭部から頭の中心へと器具を使って探っていくと、頭の左側、首の上の方に熱くて反発する部分があり、器具をしばらく当てて抜きました。
少し下の方、首筋へ移動してみると、首筋は滑りが悪く熱を発しています。何度か器具で擦ったり押したりを繰り返すと、だんだん血行が改善されて滑りがよくなってきました。
次は、左肩から左手指先の方に器具を移動しました。左腕のひじで滑りが悪くなりましたが、そこで3度4度と軽く擦っていくと滑りがよくなってきます。さらに、器具を立てて15秒ほどその場所に止めて置きます。そうすると流れがよくなるのを感じます。
左手の掌を軽く擦ってみると、親指の付け根の太陽丘は硬くなっていて、擦ると少し痛気持ちいいと言ってくれました。
繰り返し擦ったり器具を立てて止めていくと、よい感じで、掌が温かくなってくるのを感じます。
肩の滑りが悪かったです
今度は、右側の肩から指先の方まで移動していきます。患者さんは右利きで右側を常に使っているせいか右肩の流れがとても悪く、器具がほとんど滑りません。
8回くらい擦っていくとだんだんと滑り始めるようになり、柔らかくなっていきました。さらに器具を立てて、気になる3ヶ所にそれぞれ15秒止め置きました。こうして滞っているものを抜きます。
すると、流れがよくなり、皮膚の色もよくなり私にも器具を通して肩が温かく感じられるようになりました。
途中、反発する部分を感じましたが、そこには余分な気がたまっているようでした。器具を当てると、それは私の体を通って右足から抜けていきます。
さらに、背中を探っていくと私の手に反発する部分を感じ、その周辺から左側の広い範囲に重たい感覚がありました。そこに器具を当て、しばらくさすって重たく感じる感覚を抜きました。
膝痛の影響が腰に出ていました
腰を探ると、膝が痛いせいか、腰に負担がかかっているらしく、ひどく熱く感じます。ここは重点的に何度も何度も繰り返し熱感を抜きました。この頃になると、患者さんは寝息をたて始めたので、体が楽になってきたのでしょう。
太ももは特に問題を感じませんでしたが、問題の膝の裏は、両脚とも重い熱感がたまっていました。両方の膝裏に器具をしばらく当てていると、熱いものが私の手から体を伝わって右足から抜けていきました。
両膝、ふくらはぎ、かかとにかけてとても器具がすべりが悪く硬くなっていて、負担がかかっているような熱感がありました。
次に仰向けになってもらいました。
顔を探っていくと、先ほどとは逆の右側に熱い場所があり、聞いてみると目が疲れているとのこと。今はPCやスマホで目を酷使する時代なので、同じような方が多いです。
左肩の前、ちょうど腕の骨が始まるところに、熱感があり、それを抜きました。
お腹を探ると、右の方肝臓のあたりに少し重たい感じがあり、しばらく器具を当てて抜きました。薬を毎日飲んでいる方は、肝臓ががんばって解毒しているせいか、同じようなことを感じることがよくあります。
さらに下を探ると、ちょうど腰骨と足の骨がつながる部分にとても熱く感じる場所がありました。膝が痛いということだったので、歩き方が不自然になり、この部分に負担がかかっていたのかもしれません。
右膝は熱く重い感じがしました
そして、問題の膝ですが、特に右膝が熱く重く反発する感じが強く、なかなか強敵でした。器具を当ててもすぐに抜けず、何度も繰り返しました。また、私の体からも抜けにくかったので手で何度も払いました。
しかし、左膝は思ったほどひどくはないようでした。
その後、脛から足指を探っていくと、右足の中指に重く反発する感じがあり、患者さんに聞いてみると、昔ケガをした古傷があるそうです。今回の膝痛の原因は、体重が増えたこともありますが、もともとはこの古傷が歩くときに膝に負担をかけていたのかもしれません。
この方の経過は、ばね指の後、膝痛を解消するために通われていた女性の経過でお読みいただけます。