空き缶の底で「かっさ」
NHKBS1の登山の番組を見ていたら、空き缶の底で「かっさ」をしているところが映っていました。道具を使って体を擦ることはどこでもどんな人にも効果があるのだなあと思いました。
時々、BSの番組を録画しておいてあとで見ることがあるのですが。先日、NHKスペシャル 幻の山 カカボラジ~アジア最後の秘境を行く~という番組を再放送していました。2015年に放映されたようです。
この番組に出てくる登山家、平出和也さんと中島健郎さんは、以前、見たことがあって、何度も再放送されているBS1スペシャル「銀嶺の空白地帯に挑む~カラコルム・シスパーレ~」というものすごい映像の番組に出ていた方でした。
暇な時に見たら、私の仕事にも関係あることが出てきました。
ミャンマーの幻の山カカボラジに登るには、ジャングルを200キロ以上も歩かないとベースキャンプまでたどり着けないのです。荷物を背負って高温多湿のジャングルを歩くのは相当な重労働なんだろうというのは想像できます。
途中で、荷物を運ぶために雇われた現地のポーター達が、オイルを塗った体を空き缶でこすりはじめました。テレビでは、「マクロンと呼ばれるこの地方に伝わる民間療法です」と説明されていました。
これは、かっさですね。
かっさというと、平たいプレートを使うものだと思っていました。擦る(こする)ためには、少し刺激が必要なのでプレートも薄く出来ていて、縁の部分で擦って行きます。その代わりが、空き缶の底なのでしょう。缶は持ちやすいですから、擦る人は疲れにくい。
背中を向けているのは中島健郎さんですが、背中が真っ赤です。
人はいろいろな工夫をするものだなあと感心しました。そして、体を擦って疲労を取ったり、不調を解消したりすることは、どこでもどんな人にでも有効なんだなと思いました。
私も人の体を擦る仕事をしています。
いろいろな道具を使ってきて、何が一番効果があるか試してきましたが、私にとって一番だったのは、プレートではなく棒状のものです。棒も木や水牛の角からチタン、銀、金などの金属までいろいろあります。
擦りやすく、またお客さまの体の状態を手から伝わって来る感覚で知るには、いわゆる貴金属が一番よい感じです。
今は世の中が自粛時期なので、テレワークをしている人たちが座りっぱなしで肩こりや腰痛に悩まされているような話を聞きます。
自分で自分を調整することはできるので、今度はそんな話を書いてみようかと思っています。