毎週来ている方が頭痛がひどいといわれるのです
毎週通って来られる方が、いらっしゃいました。60代の女性のお客さまです。
今日は調子が悪そうです。顔色が悪く、免疫力が低下したとかで口の中が荒れているとのこと。また、ひどい頭痛と寒気がしてガタガタ震えが来るとのことです。
家で寝ていようと思ったのですが、このまま寝ていても良くならないので来ましたとのことです。これはいけませんな。
早々に着替えていただいて、うつ伏せになっていただいて始めました。
(画像はイメージです)
目次
今日は頭痛がひどいようで熱感が強いです
療術者の私も妻も履いている靴下を脱ぎ素足の状態で臨みます。療術する時は、お客さまのからだに溜まっている余分な気を私たちの体を通して足裏から逃がします。私たちの体の中で滞らないように、簡単に言うと体から常にアースすることができる状態にするのです。
いつもならすぐに頭を擦りますが、熱感が強すぎるため、妻と二人で、お客さまの身体の上に手のひらをかざして、頭から足に向かって1分程度ゆっくり下へ下へと払います。
その後、いつものように頭頂から器具で擦っていきます。お客さまは寒いとおっしゃいますが、すごい熱感を感じます。しかし、実際に熱が出ているわけではありません。器具からはピリピリとした気感を通り越してやけどをしそうな熱さを感じます。
まずは右手を使って頭の左側をいつもより念入りにそして少し強く擦っていきます。空いている左手の指先にピリピリと刺激が伝わってきます。
こちらも汗が噴き出てきます
今度は左手に器具を持ち替えて頭部の右側を擦っていきます。やはりピリピリ感が強いです。いつもこのお客さまの頭痛がする場所は、冷たい所と熱い所と二つに分かれたように感じられますが、今日は熱いの一言です。こちらも汗が噴き出てきます。手で額をぬぐいます。
今度は、左右に器具を1本ずつ持ち、頭に対して器具を垂直に立てながら、熱くてピリピリする気を抜く作業です。細かく当てていつもより長く5秒くらい置いてから移動していきます。
いつもならここまで細かくやらなくてもよいのですが、10ヶ所ほど器具を立てながら抜いていくと少し温度が下がった感じになりました。しかし、いつもならとっくに心地よい暖かさの体感になるのですが、今日は手強いです。
相当重症ですが、同じ所ばかりやっていると、そこに周囲から熱感やピリピリ感が流れ込んでさらに頭痛が増してしまうので移動します。頸椎の左右を手に1本ずつ持った器具で擦り、さらには垂直に器具を立てて抜いていきます。
手からもすごい熱感を感じます
次に肩へと移動。右手に器具を2本持ちながら半円を描くように外側に外側に擦っていきます。徐々に左肩から左腕の方に移動しながら擦っていきます。最後に手の甲に至るところまで擦っていって指の間に器具を当て、出てくる熱感を抜いていきます。
次に左手に器具を持ちかえて同じ作業をしていきます。やはりお客さまの右手の指の間からもすごい熱感を感じます。
次に背中に移動します。まず右手に器具を2本持ち、首筋付近から軽くから擦っていきます。寒気がするとお客さまがいわれるのですが、熱感がすごいです。
だんだんと腰へ移動しながら擦っていきます。妻は腰から下、膝からふくらはぎ、足へと擦っています。
首筋から腰まで何度も往復して擦ります
私は、首筋にまた戻り、今度は横方向に少しばかり器具に重みをつけるように擦ります。腰までいったら再度首筋に戻り、今度は少し強く擦っていきます。
次第に引っかかる場所が分かってきます。腰までいったら、また首筋に戻り、さらに強く首筋から腰まで擦ります。
今度は同じ体勢で、右手に持った器具を首筋から腰の間を往復して擦ります。下からの擦り上げは、熱感を頭の方に上げてしまうため普段ならやってはいけないことです。しかし、こういう非常事態の時は別です。
器具を体から離さないで往復させます。木の板を手でさすると目をつぶっていても引っかかり具合で木目の様子が分かりますが、この方法も同じです。調子の悪いところがはっきり分かります。
引っかかりを感じたら、その場所にすぐに器具を垂直に立てて抜いてしまいます。しかし、引っかかりが多く、滑りが悪いので広範囲に擦れません。
こういう時は、ショートストロークで擦って探して抜いてを繰り返します。数分間続けましたが、だんだんといい塩梅になってきました。
滑りがよくなるとロングストロークで擦れるようになってきました。しかし、それでもまだ万全ではないので、器具を立てて抜いていきます。2、3分でよい感じになりました。
今度は、背骨を中心として、肋骨の右半分を骨に沿ってなぞるように脇腹の方へ擦っていきます。肋骨を1本ずつ上から下へこの作業をしていきます。反対側も同じように擦りました。
滑りがよくなるとお客さんは寒さを感じなくなるそうです
ここまで終わって、「まだ寒いですか?」と聞いてみると体が熱くなって汗が出てきたとのこと。背中の張っていて盛り上がっていたところも普段通りの状態まで戻った感じがします。
ここからは仕上げです。お客さまの頭の方に移動して、左右の手に1本ずつ器具を持ち、脊髄の両脇から挟み込む感じで器具を立てて熱感を抜いていきます。
2センチ間隔ぐらいで抜いていきます。熱いものがパーッと抜け出てきます。もともと脊髄は滞りやすい場所です。腰まで同じように行います。
今度は、お客さまの横に立って、2本の器具を背中に乗せる感じで右に左に舟の舳先を向けるようにクネクネさせながら滑りの悪い場所を探します。
見つかると器具を立てて、今までより強く差し込むようにして5秒ほど待ちます。差し込んだ跡が皮膚の表面にくぼんで残ります。(これはその後元にもどります)
頭と腰までのちょうど半分くらいの所に引っかかりがあるので、この作業を繰り返します。繰り返していると滑りがよくなりました。これで一安心です。
お腹がググーッと泣いています。腸が動き出したようです。
妻はこの時足裏を作業していて、ニッコリと笑っていました。足裏に向かって強い熱感が移動して行きましたが、妻が足裏で丁寧に抜いてくれていました。二人三脚です。いつも相手の顔を見て何を考えているかがわからないと一緒に仕事はできません。
次に、体を横向きにしてもらいます。
また、頭から強めにゴシゴシと擦っていきます。少し強めにゴシゴシしてから、左右の手に器具を1本ずつ持ち器具を立てて抜いていきます。次にあごから顔を擦っていきます。目の周り、おでこも擦ります。
耳の中からも熱感を抜きます
耳の中も抜きます。器具を立てて軽くかき混ぜるようにした後3秒くらい置きます。すると中から熱感が抜けて、頭スッキリ耳の聞こえも良くなるそうです。
妻は肩から始めて、背中、腰、膝へ移動していきます。私は、頭から顔の側面を擦りながら首筋、肩へと擦りながら進んで行きます。次に反対側を上にして横向きに寝てもらい、同じことを繰り返して体を調整していきます。
最後は仰向けになってもらいます。ここまで来るとほとんどの場所を擦って抜いて来たので、滑らないところはほとんどありません。
また、頭から始めて今までより少し強く、心地よい程度にゴシゴシ擦って行きます。
次に器具を両手に1本ずつ持って、器具の腹を使って顔の真上から左右に動かして擦っていきます。お客さまは花粉症持ちですが、今日は鼻の周辺は滑りがよくて花粉症は調子よさそうです。
次に、体は仰向けのままで、顔だけ左に向けてもらって、リンパの周辺を擦っていきます。さらに、右に向けてもらって擦っていきます。
顔から首筋に器具を当てながら移動して、あごの下も擦ります。
妻は、胸部からお腹、腰、太ももへと下へ下へと熱感を流していきます。私はそれを待ち受けていて、足裏をゴジゴシよく擦って、きれいに取り残しのないように器具を当てて抜きます。最後に二人で手のひらい身体全体を払って終わります。
背中を押したときにできた皮膚のくぼみは、自宅に帰って1時間くらいすればすっかり元通りになります。ご安心下さい。
今日のまとめ
来た時は、口数がほとんどなかった人が、よくしゃべるようになって帰って行きました。顔色が青かったのが、頬に赤みがもどっていたので私達も少し安心しました。
私達はお医者さんではないので、お客さまの痛みの場所や様子によって病院に行くようにおすすめしています。痛みがひどい方は、まず病院に行ってお医者さんの診断を受けることが最初に必要なことですよ。
この方の頭痛の経過は、頭痛(原因がわからない)が持病の女性の経過でまとめて読んでいただけます。